こんにちは 京都心理カウンセリング 心理カウンセラーの 塩澤順哉です。
円広志 著 「僕はもう、一生分泣いた」 〜パニック障害からの脱出〜
という書籍について紹介させて頂きます。
円広志さん自身が経験された9年間のパニック障害の経験について書かれた本です。
円広志さんがパニック障害でこんな症状が出たと書かれていた事まとめ
円広志さんが実際に経験されたパニック障害の症状をまとめてみました。
- 高速道路が怖い。
- 80キロ以上のスピードが怖い。
- 特に明石海峡大橋が怖い
- トンネルが怖い
- エレベーターに乗れない(箱が落ちるのではないかと思う)
- 映画館に行けない。
- コンサートに行けない。
- 圧迫感のあるもの(ネクタイ・ハイネック)が着られない
- 外へ出かけられない。
- 床屋にでかけても、椅子に座っていられない
- 怖くなるとトイレに駆け込んだ。
- トレイのドアを開けておかないと怖くて用を足せなくなった。
- 不安でたまらなくなってしまう。
- 恐いという気持ちにいつも襲われる。
- 50歳までは生きられないだろう。
- 脂汗が流れ、脇の下が汗ばむ。
- 呼吸ができないとパニックになってしまう。
- 飛行機に乗れない。
- 夜がたまらなく不安
- 暗黒の世界が死のイメージと重なって、自分がそこへ引き込まれてしまいそうになる。
- スポットライトが恐くてならない。
- 高い椅子は転倒しそうだから、がっちりした低い椅子に取り替えてもらった。
- 湧きたつ恐怖 ”自分が自分でない”ような地獄の日々
- 「死んだ方が楽やろうな」と思ってしまう
- 不安に襲われた場所、環境に再び身をおくと、また同じ不安にかられるのではないかと不安になる。
- 不安が不安を呼ぶ。
- 夜になると怖くてメソメソ泣く。
本当に沢山の、症状が出てきました。
これだけ沢山の症状に悩まされると、本当に生きているのが辛くなるのもよくわかります。
なぜ、この症状が辛いかというと、それまでは”当たり前にできていたこと”だからです。
全部が当たり前にできていた。特別難しいことがあるわけではない。
髪を切る。電車に乗る。車の運転をする。
それが何故だかわからないけれどできなくなってしまう。
これは本人としては本当に辛いことです。そして、その自分でも理解できない。
という苦しさをさらに増やすのが、誰にもわかってもらえない。
という辛さです。話をしたところで、何でそんなことができないの?
ということで終わってしまいます。
そして、ここに出て来たようなことは、
円さんが一人だけが経験されたことではなく、
パニック障害を経験された方ならみんなが経験するようなことではないだろうか。
典型的なパニック障害の症状ということができます。
円広志さんがパニック障害で気付かれた病気と付き合うポイントまとめ
- パニック障害では絶対死なない。p104
- 1%でも希望のあるものは試す。P106
- 精神が弱いからパニック障害になったわけじゃない。 P114
- ほんの少し勇気を出して行動してみる。 P124
円広志さんがパニック障害を経験された中で、気付かれたことをまとめてみました。
1、「パニック障害では絶対に死ぬ事はありません。」
というのは、円広志さんがお医者さんから言われた言葉だそうです。
そうなんです。パニック障害で死んだという人は、この世界で一人もいません。
それが事実です。確かに、死ぬのではないだろうかというような強い不安に襲われることが多々あるのですが、
実際にパニック障害が原因で死んだという人はこの世界で一人もいません。
2、1%でも希望のあるものは試す。
こんな風になかなか思えなかったりするかもしれませんが、こんな発想ができるといいですね。
ある心理学の考え方に、今の方法で上手く行かないから、上手く行くまで、上手く行く方法を試せばいい。
という考え方があります。
そう諦めない限りは可能性があり続けるのです。
ここで、一つ大切なことを付け加えるとすると、
既に自分が欲しい結果を得ている人というのは世の中に必ずいます。
ここでいうと、既にパニック障害を治した経験がある人です。
その人が、どんなことをしたのか?ということについて調べる。
それと同じことを試してみるということは、問題解決に大きなヒントを与えてくれることになります。
3、精神が弱いからパニック障害になったわけじゃない。
パニック障害というような病気になると、精神が弱いから、こんなことになったのではないか。
そんな風に思う方がおられるかと思います。
円広志さんは著書の中でそのことを否定されています。
私もそのことについて同じ考えです。
そして、この視点は、凄く大切なことですので、
このお話は心理カウンセラーという視点からお話しさせて頂きます。
パニック障害も、これまで我慢して、抑えて来た感情が抑えられなくなって溢れてもの。
というように取ります。
ですので、精神が弱いのではなくて、逆に精神が強かったために、感情をこれまで抑え過ぎた。
これがパニック障害の本当の原因です。
ですので、パニック障害になる方は逆に精神が強いのです。
また最後に詳しい解説をさせて頂きます。
4、ほんの少し勇気を出して行動してみる。
これは、認知行動療法というような部類に入る心理学的なアプローチになります。
もちろん効果があるものなのですが、勇気を出して行動する時に、
絶対に気をつけないといけないことがあります。
わかりますか? このポイントを抑えないと、逆効果になってしまいます。
それは”絶対に無理をしない”ということです。
ただでさえも怖いのです。無理をすると、また予期不安のスパイラルになるだけです。
特に、本人が望んでいないのに、無理矢理行動させるということは絶対やってはいけないことです。
このアプローチ方法は、頑張り過ぎるというような癖がある方にはかえってよくないため、
私のパニック障害に対するカウンセリングでは、このようなアプローチは取っていません。
円広志さんのパニック障害に対する間違った知識 〜心理カウンセラーの視点から
P114 原因は、個人差があるが、寝不足にせよ、過労、過度のストレスによるものである。
確かにこれらは、パニック障害の引き金になったと言える事は確かではある。
しかし、これを原因というのは間違いであると私は考えている。
まず、この考えを正しい知識を持つ事からパニック障害を解消していくきっかけになると思うので、ここはしっかり抑えて欲しい。
寝不足、過労、過度のストレスが ”原因” ならば、寝不足、過労、過度のストレス がかかった人は、パニック障害になる。
ということだこれは正しいでしょうか。
確かに、寝不足、過労、過度のストレスがパニック障害のきっかけになったことに間違いはない。
しかしそれが本当の ”原因”ではない。ならば、何が原因なのだろうか。
そう上で出て精神が弱いという話が出て来たが、それがここにつながる。
パニック障害になる方は、精神が強い。
なので、自分の感情を抑えてしまうというようなことが問題となる。
パニック障害になった円広志さんが、一生分泣いた とタイトルにもされているように、
抑えられなくなった感情が涙としてできている。
カウンセリングでこの感情について扱うことで、症状は解消される。
また、お気づきの方がおられるかもしれないが、一生分泣いたとおっしゃっているように、
きっと沢山泣いて、感情を出したはずなのに、パニック障害が治っていないことから、
その涙は、”代理感情”である可能性が極めて高い。
と言うかそれは”代理感情”である。”本物の感情”ではなく”代理”的な感情なのだ。
この”代理感情”を出し続けている限り問題は解決しない。
しかし、カウンセリングで”本物の感情”を感じる事で、症状は解消することが可能である。
最後に、私の相談者さんの声を紹介させて頂きます。
パニック障害という病気まではいかないが、
高速道路や自動車のドアが無い後部座席に乗ることができないという悩みを解消した時の相談者さんの声を紹介させて頂きたい。
パニック障害に非常に似た、悩みである。
この悩みはたった1回のカウンセリングで解決できた。
カウンセリングでこのようなことが可能であることを知って頂くために紹介させて頂きます。
このようなお悩みを持っておられる方は、
お気軽に一度ご相談ください。
適切なカウンセリングを受けることで必ず解決できます。