人はなぜ成長できるのか ゲシュタルト療法 百武正嗣 『気づきのセラピー』より
夏にワークショップに参加させて頂きました。
ゲシュタルト療法の百武正嗣さんの本
もう一度読み返して気になったことを記事にしてみました。
『気づきのセラピー』百武正嗣 P73 より
>人間はたえず自己成長をする存在です。
>では、個人が心理的な成長をすることができるのはなぜでしょうか?
という問いかけです。
百武氏は以下のように書いています。
>それは私たちが有機体であるため、
>「個人」と「環境」との関係に”気づく”ことができるからです。
ということです。
何だかちょっと不思議な発想ですね。
>有機体としての生物はすべて
>「自己調節(self-regulation)の機能を持っています」これを
>「ホメオスタシス(homeostasis)」と言います。
ホメオスタシス というのは、有機体が持つ自己調節の機能のことなんですね。
>細胞は細胞幕で囲まれていますが、
>この細胞膜の中で栄養素や水分が不足した場合には、
>膜の外の世界から栄養素や水分を補給し、
>常に一定の栄養素や水分が細胞内で維持できるようにするのです。
とあります。確かに、そうですね。
だから、血糖値を保ち、活動できるようにするために、
お腹が減るという感じでしょうか。
生命体はこのように自己調節の機能によってからだを維持しています。
>ホメオスタシスの原理は生理的な欲求として現れるだけではなく、
>心理的なホメオスタシスとしても機能しています。
ということですね。
生物の授業なんかで学ぶホメオスタシスというと、
細胞や有機体が、自分のカタチをそのまま一定に保とうとする働きというような認識でこれまでいました。
なんと、それは心理的な働きもあるということなので、驚きました。
続けます。
>個人と環境の間には「コンタクト・バウンダリ(contact boundary 接触境界)」
>という境界線があります。
そういう境界線というものがあるんですね。
これは、私のカウンセリングの中でも扱います。
正式には、コンタクト・バウンダリ 接触境界 と言います。
>「私」という存在が生存し続けるためには、
>つねに「環境」に働きかけ続けなければなりません。
>「私」という生き物もが存在するためには、水分や栄養が欠乏していることに
>気づき、「環境」に働きかけて栄養源(食べ物)を探します。
>心理的な世界についても同様です。
>「私」は寂しさ、怒り、孤独に気づくことが可能です。
>だからこそ、人という「環境」に近づいたり、離れたりすることができるのです。
>私が愛情の不足を感じた場合には、
>人(環境)との接触やコミュニケーション(愛情)を求めます。
>また、人から傷つけられた時などには、
>逆に人とのコミュニケーションを回避して引きこもります。
>私たちは、この接触と引きこもりを自己調整して生きて行く存在です。
>このように「私」にとって必要ななことに気づける能力(自己自覚)
>がもともと備わっているからこそ、「環境」に必要なものを求めて
>均衡 を保つことができるのです。
人はなぜ成長できるのか。
なぜ成長できるのかということについて考えたことがなかったので、
面白い視点でした。
ゲシュタルト療法の視点から見ると、このような見方ができます。